黒部峡谷・立山・上高地を巡る旅 立山篇 

2015/
10/01

朝7時ホテルを出発、長いアルペンルートの旅が始まった。
最初の見学地、「称名の滝」。駐車場からは滝見台まで徒歩で30分ほどだが、坂道のため結構疲れる。曇り空でさほど暑くはない気候だったが、滝見台に着いたときには汗びっしょりだった。

称名の滝(しょうみょうのたき)は、富山県中新川郡立山町にある立山連峰を源流とする滝。弥陀ヶ原台地から一気に流れ落ち、称名川となった後に常願寺川へ注ぎ込む。 称名滝は、350 mという日本一の落差を誇る四段構成の滝である。国指定の名勝および天然記念物であり、日本の滝百選に選定されている。名称は、法然が滝の轟音を南無阿弥陀仏という称名念仏の声と聞いたことに由来すると伝えられている。
雪解け水が多く流れ込む春などには、称名滝の右側にハンノキ滝(落差497m)が現れて、2つの滝が流れ落ちる。また、特に流量が増した場合には、ハンノキ滝の右側にソーメン滝も現れて、3つの滝が並んだ光景を見ることができる。
 

3大滝

称名の滝

称名橋(上) 称名の滝(中) 飛龍橋(下)

 
立山駅からはいよいよアルペンルートに入る。立山駅から美女平駅までは「立山ケーブルカー」での移動。

美女平駅前にあるタテヤマスギ、美女杉。ここには伝説がある。

立山の伝説1

立山を開山したとされる佐伯有頼には美しい許嫁の姫がいた。姫は有頼に会いたい一心で立山に登ったが、有頼に山を拓くまで帰ることができないと追い返された。姫は仕方なく山を下りる途中1本杉に

美しき御山の杉よ 心あらば わがひそかなる祈り ききしや

と祈ったところその願いが成就してめでたく結ばれたという。この伝説からこの歌を3度唱えて祈れば恋が叶うと言われている。
 

立山ケーブルカー

立山駅

美女平駅

美女平駅展望台にて

美女杉(美女平駅前)

 
美女平駅からはこのアルペンルートで最も長いバスでの移動(移動時間50分)となる。美女平から室堂まで高低差1500mを「立山高原バス」で一気に駆け上がる。旅行の事前調査では進行方向右手の座席が風景が良いと思っていたが、これが大間違い。圧倒的に左の座席が良かった。

紅葉は弥陀ヶ原付近からすでに始まっていてすばらしいものだった。天気が良かったらと思うと残念でならない。ここでも立山伝説がある。

立山の伝説2(弥陀ヶ原) 美女杉、かむろ杉、姥石、鏡石

若狭小浜の止宇呂(とうろ)という尼さんのところに、女性と娘の二人が来て死んだ夫の霊に会いたいので、立山に登りたいと頼んだ。止宇呂は、立山は女人禁制の山なので登れないと断ったが、女性の願いが強く、とうとう3人で登り始めた。 登っていくうちに、山の禁止を破った罰で、女性は、杉の木に変えられてしまう。この杉が「美女杉」。
娘と止宇呂でさらに登っていくと、今度は娘が、杉にされ、「かむろ杉」という低い杉になる。
止宇呂一人が登り続けるが、ついに石にされ、「姥石」となり、せめてもと止宇呂が山頂めがけて投げた鏡も石にされ「鏡石」になった。

2014年2月立山・黒部山岳遺跡調査委員会の報告によればこの「姥石」が発見されたとのこと。 姥石のくぼみには高さ59センチ、幅25センチの石仏が置かれ、「右うはいし道」などの文字が刻まれていたという。

室堂間近の天狗平には落差120mの「ソーメン滝」がある。

弥陀ヶ原付近から降り出した雨は、室堂では本格的になり、あたりは何も見えない状態。ポンチョを着て見学する気にもなれず、証拠写真だけを撮って次に向かうことにした。
 

弥陀ヶ原付近

称名の滝見台

鏡石の看板 この奥に鏡石があると思われる

ソーメン滝(天狗平)

室堂

 
室堂から大観峰までは立山トンネルトロリーバスで移動。その名の通り、トンネンルの中を移動するため景色は何も見えない。

立山アルペンルートでは出発時間の指定はできないようで、季節によっては駅での待ち合わせ時間が全くない時もあるようだったが、今回はそれぞれの駅で待ち合わせ時間が結構とれ、ゆっくりと見物できたのはラッキーだったと思っている。ここ大観峰でも余裕があったため展望台に昇ってみた。これが大正解。展望台から見る景色はまさに紅葉の絨毯を敷き詰めたようで、すばらしいの一言。

立山ロープウェイでの移動は紅葉真っ盛りの森の上を飛んでいるようで圧巻だった。

黒部平駅から黒部湖駅までは黒部ケーブルカーでの移動で、
立山トンネルトロリーバスと同じトンネンルの中を移動するもので景色は何も見えない。
 

黒部ダム湖(大観峰展望台にて)

大観峰展望台にて

立山トンネルトロリーバス車内

大観峰展望台にて

大観峰展望台にて 立山ロープウェイ(大観峰)
立山ロープウェイ
黒部平駅(立山ロープウェイ)
黒部平駅展望台から見る大観峰
黒部平石碑 なぜかあった大黒様
黒部ケーブルカー(黒部平駅)
黒部ケーブルカー(黒部湖駅)

 
部湖遊覧船ガルべに乗船することになった。しかし、この乗船が大変。船までの移動が急な階段。降りるのも大変、昇るのも大変だった。 船の名「ガルベ」とは「黒部」の語源といわれるアイヌ語を元に命名された。

遊覧船切符売り場近くにある「カンパ谷吊り橋」。長さ60mほど黒部湖に架かる吊り橋。吊り橋の先は遊歩道が整備され、湖畔を散策可能。

「平ノ小屋」。 もともと小屋は、猟や釣りのほかに信濃大町側からの立山信仰登山の客の泊まり場としても使われた。
1956年、黒四ダム工事が着工すると元祖・平ノ小屋は、小屋の前の河原から湧き出る温泉ともに沈んだ。1963年に新・平ノ小屋が、100m高い位置のブナ林を切り開いた丘の上に建てられた。
黒部川にかかっていた吊橋もダム湖のためになくなったため、代わりに小型の船が電力会社から提供され、針ノ木谷側との間を渡し船として小屋が運航することになった(平ノ渡し場)。
針ノ木→黒部湖→五色ヶ原の登山ルートとして使われているようだ。

黒部ダムは映画にもなったところで、一度は来たいと思っていた所。ただ、ダムを見学する時にはそれまで小雨だった雨も本格的になり、ポンチョを着ての見学となったため、早々に駅に逃げ込んだ。

黒部ダム駅から扇沢駅までは関電トンネルトロリーバスでの移動。降りが強くなった雨、扇沢でもその強さはかわらなかった。長かったアルペンルートの旅も終え、扇沢からは迎えに来てくれていたバスに乗り込みホテルへと向かった。
 

黒部湖遊覧船ガルべ

黒部ダム湖
平ノ小屋と渡し船

カンパ谷吊り橋

黒部ダム湖

黒部ダム湖

黒部ダム

黒部ダム駅

扇沢駅(関電トンネルトロリーバス)