この旅行の最終宿泊地は、加賀山中温泉<吉祥やまなか>。ここでも嬉しいおもてなしがあった。ロビーラウンジでの「舞唄の夕べ
」。1300年の歴史をもつ山中温泉。日本の座敷唄の中でも名曲中の名曲と言われる「山中節」(加賀市指定無形民俗文化財)は、その昔「湯ざや節」と言われ、江戸中期(元禄)より唄い継がれた温泉民謡。「舞唄の夕べ」では「山中座」に出演の芸妓さんが、温泉情緒漂う伝統の唄と舞で「山中節」を披露してくれ、最後は宿泊者も交えた「山中音頭」で賑やかにお開きとなった。
翌日、散策路があるということで、早朝、ホテル周辺を歩いてみた。早朝の雨上がりということもあって、山々はかすんで見えたが日が差せばきれいに見えたと思う。
黒谷橋近くに芭蕉堂がある。何でこんな所にと思ったが、芭蕉は「奥の細道」の旅で山中温泉に9日間滞在したという。大分気に入ったようで、山中温泉には「漁火に河鹿や波の下むせび
」「山中や菊は手折らし湯のにほひ」の2句が刻まれている句碑があるようだ。それにしても芭蕉の行動範囲の広さにあらためてびっくりしている。 |