加賀藩時代からあると言う金沢の郷土料理「治部煮」、ホテルの昼食として出されるというので楽しみにしていた。ところが出されたのが下の写真の膳。さて、どこが「治部煮」なのか給仕さんにたずねたところ、左下の橙色の丸の線で囲まれたものが「治部煮」だという。メイン料理とばかり思っていただけにいささか拍子抜けした感があるが、一応食べてみた。
小麦粉をまぶした野鳥や鶏の肉を季節の野菜や特産のすだれ麩と煮合わせ、小麦粉でとろみをつけるのが特徴という「治部煮」、これは違うと思った。おそらく、宮城の郷土料理である「くずかけ」に似ているはずで、今度金沢にきたら本物の「治部煮」を食べてみようと思う。
主計町(かずえまち)茶屋街は、昔の花街。
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治部煮(じぶに) |
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浅野川にかかる浅野川大橋 左斜め前方が「ひがし茶屋街」である |

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浅野川 |
浅野川沿いの主計町(かずえまち) |

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昔ながらの店が立ち並ぶ |

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縁起物の<杉玉>
や<四万六千日(とうもろこし)>が玄関先に飾られている
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中の橋 |

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主計町表通り さすがに昼は閑散としている |
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暗がり坂
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久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎぐう)神社 |

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あかり坂 |
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主計町 街並み |
泉鏡花は、明治から昭和にかけての小説家。「梅ノ橋」は代表作「義血侠血」(ぎけつきょうけつ)の舞台となった所という。早速本を購入し読んでみた。
法曹をめざす青年を、旅芸人の女が金銭的援助を申し出た場所として「天神橋」は出てくるものの「梅ノ橋」は出てこない。青年と再会する場面に「天神橋の欄干にもたれている漢子あり」という表現があるが、いろんな説明書から想像してると、どうもこの時、女は梅ノ橋から天神橋を見ていたのではないかと思われる。
法曹をめざす青年を、旅芸人の女が金銭的援助をしていたが、ある時前借して送ろうとした金を奪われ我を忘れた女が、あろうことかその金を得んがため盗みに入り出くわした主人を殺してしまう。時は流れ検事代理となったその青年が大恩ある旅芸人の女を殺人犯として起訴、裁判で女に死刑が宣告された夕刻に自殺してしまうという何とも哀れな小説である。金を盗まれた被害者が加害者になるまでの心の葛藤がこの小説の一番の見所の様に思われた。
今宵の宿泊先は和倉温泉「あえの風」。6年前に行った加賀屋の姉妹店だという。なるほどホテルに着いて納得した。加賀屋とは目と鼻の先。夜、迫力ある「御陣乗太鼓」や加賀屋専属歌劇団「雪月花」歌劇団による創作舞踊などが楽しめ、6年前の夜を思い出していた。
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泉鏡花記念館 |

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梅ノ橋 |
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梅ノ橋から見た天神橋 女旅芸人「瀧の白糸」も、ここから天神橋の欄干にもたれる青年を見たのだろうか |

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「雪月花」歌劇団による創作舞踊 |