宮城の風景

 

 

  • 涌谷
   
        

涌谷城は西に流れる江合川に守られた城である。もともとは大崎氏の家臣の涌谷氏が所有していたが、 豊臣秀吉の天下統一に伴い木村氏を経た後、伊達氏の家臣亘理氏の居城になった。現在は城山公園となっていて、春は桜の名所として知られる。 城内には隅櫓(太鼓堂)が現存し、県内で唯一の城郭遺構となっている。その隣に天守風の資料館が建設されているが実在した天守を再現したものではない。

涌谷神社は、明治7年涌谷城址に神社を創建したもので祭神を赤心猛雄命(伊達安芸宗重公)としている。由緒書きによると伊達安芸宗重公は涌谷伊達亘理氏第4代の館主で、 仙台藩伊達氏の一門として2万3千石を領し、治世20年文武を励み野谷地の開発に力を尽くし産業の復興につとめた名君であったようだ。

                                          (2014年4月17日 撮影)

涌谷城

城山公園 神橋

涌谷神社


黄金山神社(こがねやまじんじゃ)は日本で初めて金を産出した場所である。延喜式神名帳の「陸奥国小田郡 黄金山神社」に比定される。旧社格は県社。主祭神は鉱山神の金山毘古(かなやまひこ)神で、現在は商売繁盛の神として信仰されている。 明治42年(1909年)に現在の社殿が建てられた。

黄金山神社付近の地質調査によって土質に純度の高い良質の砂金が含有されることが判明したことから、小田郡(現遠田郡)の産金地であることが確実になった。 昭和34年(1959年)、付近一帯が「産金遺跡」として県指定の史跡となり、昭和42年(1967年)には「黄金山産金遺跡」として国の史跡に指定された。  

社殿近くにエンレイソウの花が咲いていた。根茎は中国では延齢草根と呼ばれ、古くから胃腸薬や催吐剤などの薬草とされるが、サポニンなどの有毒成分を含む有毒植物であり、過量に服用すれば、嘔吐、下痢などの中毒症状を起こすようだ。 黒く熟した果実は食用となるとのこと。

                                         (2014年4月17日 撮影)

黄金山神社

エンレイソウ

水芭蕉