奈良県を巡る旅 興福寺・春日大社篇  2017/4/15

いよいよ奈良県を巡る旅も今日が最終日。天気は残念ながら曇り空で午後にはにわか雨も降るとの予想で、何とか最後まで持ってくれないかと思っていた。

最終日最初の見学地は興福寺。残念ながら金堂は工事中のため見ることは出来なかったが、仮金堂が設営されていてそこに金堂の仏像が安置されていた。

東金堂(とうこんどう)は神亀3年(726)に聖武天皇が叔母元正太上天皇の病気全快を願って建てたもの。堂内には重文の薬師如来像、日光・月光菩薩像などが安置されている。

五重塔は釈迦の舎利(遺骨)を納める墓標である。天平2年(730)に興福寺の創建者藤原不比等(ふひと)の娘光明皇后が建立。1階の東西南北にそれぞれ、薬師浄土変・阿弥陀浄土変・釈迦浄土変・弥勒浄土変を安置したと伝えられている。その後、5回の被災再建を経て応永33年(1426)に再建された。現在は、創建当時の伝統を継承し、四方にそれぞれ薬師三尊像・阿弥陀三尊像・釈迦三尊像・弥勒三尊像を安置している。

南円堂は、弘仁4年(813)に藤原冬嗣(ふゆつぐ)が父内麻呂の冥福を願って建立したもの。堂内には国宝の不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)菩薩像や四天王像などが安置されている。

猿沢池は興福寺が行う「放生会」の放生池として、天平21年(749年)に造られた人工池である。放生会とは、万物の生命をいつくしみ、捕らえられた生き物を野に放つ宗教儀式である。
         

東金堂(とうこんどう)                 五重塔
南円堂
五重塔 鐘楼
猿沢池 北円堂
三重塔
大湯屋 本坊
花之松ノ碑 会津八一歌碑

   
今回のツアーで唯一満足に見学することができなかったのがこの春日大社。ツアーにはよくあることだが、土産店の従業員がガイドを務めるパターンで、ガイドそこそこに店の説明を優先していた。このままでは東大寺も満足に見学できないと思い、若草山までやってきて現在地を確認できたところでこのガイドと別れることにした。 これが大正解だった。

南門は春日大社正面の楼門。表参道を歩いて回廊内に入る時に潜る門で、 高さは12mあり春日大社最大の門である。

幣殿は天皇陛下のお供え物である御幣物を一旦納める建物で、舞殿は宮中伝来の御神楽を行うための建物である。

「砂ずりの藤」 は、5月初旬頃に花房が1m以上にも延び、 砂にすれるということからこの呼名があります。

内侍門は西回廊にある三つの門の中で北側にある門で、古くは神様の御用をされていた宮中の斎女・内侍が出入りした門である。

総宮神社(そうぐうじんじゃ) は平安時代初期に興福寺境内に創建され、明治以降に現在の地に移る。衣・食・住の「住」をつかさどる御社として崇敬されている。

水谷神社(みずやじんじゃ)は、平安時代から幕末までの神仏習合時代は祇園精舎の守護神で医薬の神として尊崇され、病気平癒や子授けを祈る人が多いとのこと。

水谷橋を渡って春日大社に向かう道は水谷道といい春日大社北参道である。
    

春日大社 南門
二の鳥居 表参道
榎本神社 幣殿・舞殿(へいでん・ぶでん)
砂ずりの藤 椿本(つばきもと)神社
内侍門(ないしもん) 総宮神社(そうぐうじんじゃ)
水谷神社(みずやじんじゃ) 水谷橋