いよいよ奈良県を巡る旅も今日が最終日。天気は残念ながら曇り空で午後にはにわか雨も降るとの予想で、何とか最後まで持ってくれないかと思っていた。
最終日最初の見学地は興福寺。残念ながら金堂は工事中のため見ることは出来なかったが、仮金堂が設営されていてそこに金堂の仏像が安置されていた。
東金堂(とうこんどう)は神亀3年(726)に聖武天皇が叔母元正太上天皇の病気全快を願って建てたもの。堂内には重文の薬師如来像、日光・月光菩薩像などが安置されている。
五重塔は釈迦の舎利(遺骨)を納める墓標である。天平2年(730)に興福寺の創建者藤原不比等(ふひと)の娘光明皇后が建立。1階の東西南北にそれぞれ、薬師浄土変・阿弥陀浄土変・釈迦浄土変・弥勒浄土変を安置したと伝えられている。その後、5回の被災再建を経て応永33年(1426)に再建された。現在は、創建当時の伝統を継承し、四方にそれぞれ薬師三尊像・阿弥陀三尊像・釈迦三尊像・弥勒三尊像を安置している。
南円堂は、弘仁4年(813)に藤原冬嗣(ふゆつぐ)が父内麻呂の冥福を願って建立したもの。堂内には国宝の不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)菩薩像や四天王像などが安置されている。
猿沢池は興福寺が行う「放生会」の放生池として、天平21年(749年)に造られた人工池である。放生会とは、万物の生命をいつくしみ、捕らえられた生き物を野に放つ宗教儀式である。
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