与那国島・波照間島の旅 与那国島その 

2015/
04/09

東崎(あがりざき)は与那国島の最東端にある岬。先端には灯台と展望台があり、断崖絶壁の下に広がる紺碧の雄大な海の景色が楽しめる。岬の周辺はなだらかな牧草地(高麗芝)で、ヨナグニウマや牛が放牧されている。馬は非常におとなしく近寄っても暴れることはないが、後ろに回ることは危険とのこと。

東崎入り口に「東崎」と題する喜納(きな)昌吉の碑があった。碑文の意味は不明だが、最後に書かれていた「終戦・被爆50周年 黒潮・祈りの巡礼 1995年サバニピースコネクション」を手がかりにネットで調べてみた。
喜納
昌吉さんは「ハイサイおじさん」「花」 を作った人とのことでビックリ。作った本人は分からなくても歌は知っている。当時の映像を見てみた。何となく思い出してきた。ちなみに「ハイサイ」とは「こんにちは」の意味だそうだ。

サバニとは長さ9メートル、幅1・5メートルの最大11人の手漕ぎで進む丸木船のことで、何とこの小さな船で1995年5月19日、日本最西端の与那国島祖納港を出発し、八重山・宮古・慶良間・沖縄・奄美群島・トカラ列島の25の島を渡り、鹿児島山川・鹿屋・水俣・大阪を経由し、寄港先から託された64通の平和メッセージを広島・長崎両市長に届けたという。その距離実に2000km。初日、天候不良もあって海上での要員の交代が出来ず、最初の寄港地、西表島祖納浜まで何と8時間を要したと言うから全行程がいかに苦難に満ちていたかがわかる。「武器を楽器に」が合言葉のようである。
 

東崎(あがりざき)とソテツ

風力発電(中央の道路先端)とアリシ(東崎から)

東崎展望台の碑

東崎(喜納昌吉)碑

東崎灯台 ヨナグニウマ(上写真)と東崎展望台東屋(下写真)
 
次に向かったのは軍艦岩。切り立った断崖が階段状に紺碧の海まで続くサンニヌ台にあり、あたかも軍艦のように見えることからこの名がついたらしい。
入り口に「琉球の風」碑が建っていた。
「琉球の風 DRAGON SPIRIT」(りゅうきゅうのかぜ ドラゴン スピリット)は、1993年1月10日から6月13日まで放送された第31作目のNHK大河ドラマ。16世紀末〜17世紀初頭、琉球王国が薩摩藩島津氏により支配されていく時代の人々を描いたもので、主人公である楊啓泰(東山紀之)と阿紀(原田知世)の結婚式の撮影が行われたのがこのサンニヌ台とのこと。残念ながら全く記憶がない。

神岩は険しい断崖が続く島の南東部沖合いに突起する高さ30m程の岩礁で展望台が2箇所ある。旧展望台からは、遠く新川鼻を背景に立神岩が横から見え、新展望台からはほぼ真上から見ることが出来る。個人的には旧展望台から見たほうが景観として良さそうで、近くから見たから良いと言うわけではなさそうだ。
 

軍艦岩

「琉球の風」碑

「立神岩展望台」碑

遠く海底遺跡がある新川鼻が見える(旧展望台にて)

立神岩旧展望台にて

立神岩新展望台にて

 
次に立ち寄った国泉泡盛「どなん」工場。ここでのウリは何といっても60度の泡盛。飲んでみた。実にまろやかでとても60度とは思えない。蒸留機は、「まっさん」でお馴染みになったスコッチウィスキーでも使われている単式蒸留器。

最後は
ダンヌ浜。透明度が抜群で珊瑚礁も綺麗な浜で、シャワー・トイレ施設を通して海が見えることでも有名。
ダンヌ浜に建てられている「希望の碑」。前段は琉歌で後段はその意味らしい。琉歌は、沖縄地方に伝承されている叙情短詩形の歌謡で奄美群島では島歌と呼ばれているものらしく、この歌はどのように唄われているのか一度聴いてみたい気がした。(意味の部分のみ掲載)

 夏の たい木の 日陰は
 私の 父親と おなじ の ようだ

 冬の ススキの 風除けは
 私の 母親の ふところ の ようだ

 

単式蒸留機

左から30度・25度・60度

この施設の正体は「ダンヌ浜公衆便所」

ダンヌ浜

希望の碑

ダンヌ浜駐車場にて