与那国島・波照間島の旅 波照間島篇 

2015/04/10

波照間島には石垣島より高速船でやってきた。この日も相変わらずの曇り空で涼しいくらいだ。島の観光は乗り合いの観光バスだ。最初に向かったのが島中央に位置する集落のあるところ。
車窓から最初に見えたのが
学童慰霊碑」車窓からの撮影のため裏面から撮らざるを得なかった。碑文は以下の通り。

太平洋戦末期一九四五年四月八日 西表島字南風見へ強制疎開させられ全学童三二三名はマラリアの猖獗により全員罹患 中六六名を死に至らしめた
かつてあった山下軍曹(偽名)の行為はゆるしはしようが然し忘れはしない
本校創立九〇周年を記念し、はるか疎開地に刻まれた「忘勿石」を望む場所に その霊を慰め、あわせて恒久平和をねがい碑を建立する
一九八四年七月一六日
波照間小学校創立九〇周年記念事業期成会

集落にやってきた。共同売店があ
るところでバスは止まった。みやげ物でも買おうかと思い入ってみたものの、残念ながら何もなかった。近くの路上に星空観測タワーの図柄が入ったマンホールがあった。そこには「日本最南端 南十字星が輝く島」と刻まれていた。
駐車場に観光案内図がありそこに「”波照間”とは"果てのウルマ(珊瑚礁)"の意でその名の通り、有人島としては日本最南端の地である。」と記載されていた。

高那崎に向かう途中、「アカハチ誕生の地」の碑が見えた。アカハチとはオヤケアカハチ(遠弥計赤蜂、於屋計赤蜂)のことで、歴史資料上は、沖縄県八重山諸島石垣島の大浜村(現在の石垣市大浜)を根拠地とした15世紀末の豪族。オヤケアカハチの生誕地はここ波照間島という説があるが、不詳とのこと。
 

波照間港

学童慰霊碑(車窓)

波照間中学校(車窓)

波照間島観光案内図

マンホール

赤瓦とサンゴの石垣が残る民家(車窓) アカハチ誕生の地(車窓)
 
次に見えてきたのが西表島を背景にそびえ立つ2基の風力発電。風力発電としては珍しい
可倒式風力発電だ。写真でも右の1基が倒れている。可倒式風力発電とは台風などが常襲し強風対策が欠かせない地域に設置するもので、強風時に風車を地面に倒して事故を防ぐ構造になっている。総出力は245kW×2基で島の電力需要の3割の出力だという。

波照間土地改良完工記念碑と並ぶように立っているのが基本電子基準点。電子基準点とは、地上2万kmの高さを周回する
GPS衛星が発信する電波を受診し、この地点の位置を観測するための施設だそうだ。

緊急飛行機着陸用(主に救急患者搬送用)として作られた800m滑走路の飛行場が波照間空港。言われなければ分からないような小さな飛行場だ。

モンパノキ・クサトベラが生い茂る高那崎は、琉球石灰岩が侵食してできた岬で、断崖絶壁の海岸が約1kmに渡って続いている。表面がザラザラとしていて、靴も傷つきやすい。ころんだら大怪我をしそうだ。

「日本最南端の碑」手前に星空観測タワーがある。最南端にある天文台で、日本で南十字星が一番よく見れる観測タワーとして天文マニアにも人気の天文台。南十字星は12〜6月の晴れた夜空で観測することができ、他にもプラネタリウムによる説明や、200mmの屈折式望遠鏡を使って天体観測を体験することも可能という。
 

可倒式風力発電 右が倒れている状態(車窓)

基本電子基準点 波照間土地改良完工記念碑(車窓)

波照間空港(車窓)

製糖工場(車窓)

高那崎(モンパノキ・クサトベラが生い茂る)

星空観測タワー (車窓)

 
日本最南端にある「波照間の碑」。「蛇の道」入り口に建立解説銘文がある。

この碑は 沖縄の祖国への復帰に際し 全国の青年が各地の石を持ち寄り ここ はてるま の地に 精魂を注いで建設されました
この一つ一つの石がわが国の礎となり 沖縄の新たな出発となることを念じて
昭和四七年五月一五日

「蛇の道」を歩いていくと、全国の青年が集めたという石が、地方(県別)ごとに割り当てられ、散りばめられていた。終着点に「波照間の碑」があり、さらにその先には蛇の頭が2つあった。沖縄(赤)と本土で、この蛇のようにしっかりと絡み合って、二度と戦争によって離ればなれにならないようにとの願いが込められているという。

すぐ近くに、本土復帰前に訪れた学生が作ったと言われている「日本最南端の碑」と戦後50年を記念して竹富町が建てた「日本最南端平和の碑 」がある。

目の前の岩礁に「青の洞窟」がある。角度によってはライオンに見えるという。写真を撮る位置が悪かったらしく、何度見てもライオンには見えない。もう少し右に寄って撮れば見えたらしい。そのため、右目が極端に小さく(写真左側)ライオンには見えずらかったようだ。洞窟は確かに美しいコバルトブルーだ(写真右側)。

高那崎の岩礁は荒々しく雄大だ。天気さえ良ければ雄大なコバルトブルーの海が見られた事だろう。
 

日本最南端の証

波照間の碑入り口

「波照間の碑」建立解説銘文 波照間の碑へ続く蛇の道だ

北海道

東北・新潟

関東・信州

中部・近畿・北陸

中国・四国・九州・沖縄

蛇の頭(沖縄と本土を表現していると言う)

「蛇の道」の終着点に建てられている「波照間の碑」

日本最南端平和の碑

日本最南端の碑 右後ろは聖寿奉祝の碑

「日本最南端の碑」裏面から見た高那崎

「波照間の碑」と星空観測タワー

青の洞窟(左の写真ライオンに見えますか。角度が悪く右目が小さい) 右の写真は洞窟を拡大したもの(青が美しい)

高那崎の荒波

 
西の浜ビーチ。約1キロ近く続く真っ白な砂浜と目が覚めるようなエメラルドグリーンが美しいビーチ。サンゴ礁の内側なので波もほとんどなく海水浴にも最適で、この日も海水浴客が楽しんでいた。
 

西の浜 遠く西表島が見える