2月22日2号車2号室午後2時5分札幌発大阪行の特急寝台列車トワイライトエクスプレスの旅が始まる。なぜか<2>に縁のある切符を手に乗り込んだ。ルームキーはカード式、記念に持ち帰りができるという。
TwilightEXPは札幌から大阪まで、函館本線〜千歳線〜室蘭線〜函館本線〜江差線〜津軽海峡線〜津軽線〜奥羽本線〜羽越本線〜信越本線〜北陸本線〜湖西線〜琵琶湖線(東海道本線)〜JR京都線(東海道本線)を経由する走行距離1,495.7km、走行時間およそ22時間50分の特急寝台列車である。
出発して間もなく車掌がやってきてウェルカムドリンクのサービスがあると言う。ワインを頼むと白赤2本持ってきた。さっそく妻と旅の門出を祝って乾杯した。このようなサービスはほかにも6時15分配達のモーニングコーヒー、朝刊の差し入れなどがあった。
室内は使用時間累計20分のシャワーと折りたたみ式の洗面台とトイレがついている。テレビはあるが、通常のテレビ電波を受信するものではなくビデオが流れるもので、それも「北の零年」と「鉄道員(ぽっぽや)」の2本だけを繰り返し放映していた。これらはWOWOWですでに鑑賞済みだったので他のチャネルに切り替えBGMを流したものの、これも同じ曲の繰り返しですぐあきてしまった。
ロイヤルはスイートと違って一人用の個室で、それを無理やり二人用として使用するものだから、ベットをセットするとそれだけで部屋の空きスペースが覆われてしまった。それでも体格の良い二人が横たわると狭く感じられ、これも寝台列車ならではの経験とあきらめた。
青函トンネルを通過するとき、何とかその雰囲気を撮影できないか試してみた。たまたま雨が降っていたので窓にその水滴がかかっており、トンネンルのライトとうまくコラボできないか何度かシャッターを切ったのが<青函トンネンル通過中>の写真である。
列車に乗ってみて思い出したことがあった。50年前の中学3年の修学旅行。仙台から東京まで夜行列車にゆられての旅だった。
当時はベットなどというものは存在せず、通路に新聞紙を敷き詰めそこに寝た。当然ながらゆれや線路の音は体全体に響き渡り一睡もできなかったが、 若さゆえか疲れなどは微塵も感じなかった。
50年後の今、ベットに寝てはいるが、ガタガタときしむ音、突然のゆれ、カタンコトンと静かに鳴っていたと思えばガタゴトガタゴトの大きな音に変わる線路の音など昔と変わらぬ状況が体全体に襲い掛かり結局一睡も出来なかった。変わったのはただ1点、老いがゆえの気だるい疲れ。
朝食の後も妻と二人ベットに横たわっていた。
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